森羅万象から学ぶブログ

<読書メモ> 『こうやって、考える。』:外山 滋比古

考え方、勉強法のような本を最近手に取ることが多い。
行き詰まってる時にこうなることが多いが、外山氏の本は相変わらず安定して気付きをもたらしてくれる良い本となっているので、簡単にまとめておく。

引っかかった内容をピックアップして、自身の考えを後に書き出している。 

こうやって、考える。

こうやって、考える。

 

 

発想は寝かせる

イデアを出そう、捕まえようとしてもダメ。頭の中に詰め込んだら、後は散歩するなりシャワーを浴びるなりして寝かせる。

より実践的に大切なのは、発想までは時間がかかるということ。例えば1ヶ月先にアイデアを出す必要があれば、その前のインプットやブレスト的なことは早い段階でやっておく必要がある。このことに気付いている人は多いが、スケジュールに落とし込めている人は非常に少ない。


メモを取る

ささいなことでもメモを取る習慣は必要だ。それを思い出すきっかけを作ることもそうだが、「それ以外の思考」の妨げにならないためにも書き出す必要がある。

また、何でもメモをするというのは判断をしないことである。「それをメモするべきか」を考えて判断するプロセス自体が、思考を妨げる要因となってしまう。


自分で見る

あれこれ考えるより、自分で見てしまった方が飛躍的に脳を刺激できる。「見る」と書くと分かりにくいが、とにかく何でも経験してしまえということ。この引き出しを集めるのも習慣で、例えば見たことのない食材をスーパーで見つけるととりあえず買って帰るようにしている。


朝は頭の中が綺麗だから、考えごとに向いている

朝の時間の生産性についてはよく語られるが、朝の時間は頭の中が空っぽに近い状態だから考えるのに適しているとのこと。確かに夕方疲れてきた時にはもう頭の中はぐちゃぐちゃである。今日必ずしなければいけないことがどうしても浮かんでくるし、今晩の楽しみや明日の予定にも意識が向いてくる。

そう考えるとやはり朝から重要なことをできる限り詰めていくに限るということか。


書く衝動を逃さない

読みたくなることはあるが、書きたくなることは稀なためそれを逃すなとのこと。

この点では書きたいテーマをひたすらメモるようにしているが、確かにその衝動は長く続かない。昨日書きたいと思って取ったメモが、明日にはゴミになるようなことがしばしばある。

これを避けるためには、書きたい衝動をメモすると同じかなるべく早いタイミングで、乱文でも書いてしまうことが推奨される。

デジタルツールはこれを行うに適している。


書き直しの手間を惜しまない

デジタル時代で書き直すことが減っているが、それでは思考は進まない。既にあるものを整理して書き直すことで思考は進行する。創造と破壊、増幅と縮小を書き直しながら繰り返すのだ。

本を読むにしても読みながらむやみやたらにメモを取って、それを整理してブログにアップする。そこの効率性を追求はすべきだが、何度も書くことを避けるべきではない。


何足ものわらじを履く

いくつかのことを並行して進めれば、おのずと間に休みができる。その休みが思考を寝かせることとなるため、一つのことを集中してやるより、集中→別の集中→また別のものへとシフトさせていった方が結果最も生産性が高くなる。


朝は金、食事後は鉄、昼飯前は銀、夕方も銀、そこからは鉛へ

一日の時間の価値はおおよそ決まっている。やはり朝が金で昼前が銀、昼食後は鉄の時間となり、夕刻にまた銀の時間が訪れる。そこからはただ下がる一方で、鉛の時間となる。

これに即した時間の使い方ができるよう一日を設計する必要がある。

金の時間にはその時間にしかできないことを選択すべきで、鉄や鉛の時間はその時間でもできることを配置してやり過ごせるよう事前に調整しておくべきである。


すぐ書き上げてしまう

できる人は仕事が発生したその場で、8割の仕事を完成させてしまう。

これはおそらく正しい発想だが、現在のところできていない。

今手につかない場合はとりあえずタスク管理ツールに書き出しておいたりするが、これをしすぎると実際にやることを思い出すのにコストを費やす。

メールにしてもその場で必要な内容を作文してしまえば、後は足りない箇所を埋めるよう動けば完了できるようになる。初動の速さは生産性に比例する。


専門家にならない

同じことを突き詰める専門家になると、行き詰まるし新たなことに手を出す力に欠ける。結果としてつまらない人間になってしまう。何本もの小さな柱があって、そのうち何本かをたばねて大きな柱に育てていく方が望ましい。


言葉を覚える

原著では外国の言葉を覚えるという意味だが、外国語に限らず言葉を覚えるのは楽しい。言葉は概念をまとめたものなので、言葉を正しく覚えることは概念を理解することと等しく、語彙の数だけ概念が頭の中にまとまっている状態となる。

 
人生二毛作

人生を前半30年と後半30年で分けてしまう。20-50歳、50-80歳のように。

より現代に即していうと、23歳〜55歳、56歳〜90歳くらいだろう。寿命が伸びている分3つに分けても良いかもしれない。それぞれの中身は、まるでかけ離れている方が面白い。


本の引力に従う

没頭して読めてしまう、そんな本に出会うことがある。

そんな時も手を止めて自分の考える時間を作る。そうしないと読み終わった時、自分の考えがはっきりしなくなってしまう。没頭してしまうことほどあえて時間を区切る習慣をつける。


あえてゆっくり話す


詰め込んで早口になるよりも、ゆっくり話した方が結果的にたくさんのことを伝えられる。これは頭の中で処理する情報が多いタイプの人ほど意識してやる必要がある。自分の相手の情報処理量に調整して話す。