なぜPMがGTDを学ぶ必要があるか
最近プロジェクトマネジメントをする上でも、GTDの基礎が役に立っていると感じる。
GTDとは個人のタスクを管理する上での基礎概念で、詳細は他に委ねる。
ざっくり言うとタスクの「整理」と「処理」を切り分ける手法で、自分が持つ全タスクを外部に預けることで、最終的には完全なストレスフリーになれると謳っている。
PMの仕事は確実に目標が達成されるよう、あらゆる情報からタスクを洗い出して、それをチームに実行させること、とも言える。
そのように考えた時に、個人のタスクを管理できない人にチームのタスクを管理できる訳が無い。
また「チームに実行させること」と言ったが、PM自身は軽微な細かいルーチンワークに忙殺されてはならない。しっかりとSOPを敷いて、他メンバーに任せるか、自分でやるにしてもかなりのレベルで時間を圧縮しないと務まらない。もっと重要な仕事に集中する必要があるのだ。
最近はPMBOKを勉強しているが、GTDと通ずる箇所が多分にある。
GTDでいうタスクの洗い出しはWBSに相当するし、洗い出しが完了していれば、後はレビューしながら監視するだけという考え方も非常に似通っている。
そういう意味では、GTDは自分のみを対象としたセルフタスクマネジメント、PMBOKはチームタスクマネジメントのようにも捉えられる。
実際にはPMBOKで規定されているように、プロジェクトマネジメントはもっと広範囲に渡るもである。
しかし、究極的にはメンバー個々のタスクを定義し遂行させることが役割である。
チームビルディングやモチベーションマネジメント、その他の考え方はその役割を遂行するに必要なスキルという位置付けで、タスクは細分化しなきゃいけないとか、プロジェクトとは有期的なものでタスクの集合体であるとか、そういった基本事項は押さえておかないと話にならない。
GTDの基本を理解したうえで大量のタスクを捌いていけば、自ずとPMとしてしなきゃいけないことは見えてくる。
情報量の多いプロジェクトではいわゆるプロジェクト管理ツールみたいなものを使うことになる訳だが、優れたツールの開発思想にはGTDが組み込まれていることが多い。
そのうえでもGTDの基礎理解は必須であるし、逆にツールを使い倒すことでGTDやPMBOKといった考え方を自身に染み込ませることにもなるのだ。
もう少し順序立てると、
・情報量の多いプロジェクトを網羅的マネジメントをするには、AsanaやJIRAといったプロジェクト管理ツールの活用は必須である
・しかし、「網羅的にプロジェクトマネジメントができているか」を確認するには、全体マップとしてのGTDやPMBOKの基礎概念が必要である
・逆に全体マップとしての基礎概念を持ったうえで活用すると、できていること/いないことが可視化され、より高度なプロジェクトマネジメントを追求できる
ということです。
目の前のタスクをこなすだけから脱却して、全体マップの中で今自分がチームがどういう状況かを冷静に見つめる
その前提として、GTDはチームで仕事をする際にも土台であり基軸となります。