Kindleで洋書の教科書を買ってみた感想
先学期、実験的に教科書をKindleで買ってみました。
結果、教科書は紙媒体の方がいいという結論に達しました。
気になった点をいくつか考察してみます。
1.Kindleは軽くて場所を取らない
これはKindleの一番わかりやすいメリットです。図書館に勉強しに行く時なんかはペンとA5ノートとiPadだけでよくなります。
ただこれがデメリットでもありまして、Kindleを開かない限り教科書が目に見えないというのは動機付けという点で劣ります。サッと開いて目次やSummaryを眺めたりすることも時に必要なので、アクセスの悪さというのが目立ちました。
2.Kindleはサーチをかけられる
これが一番のメリットだと思います。特に分厚い教科書になればなるほどこの恩恵を受けられそうです。
ただこれを使うのはせいぜい数回程度で、基本的には授業に該当する章を読んでいくのでさほど必要性は高くありません。これを使うぐらいなら、巻末のインデックスから探すか、教授に関連章や関連書籍を聞いてそちらにあたるのが良いのでは?といった感じです。
3.Kindleは英単語を簡単に調べられる
Kindleだと2秒もあれば英単語を調べられます。ただこれもしすぎると返って頭が混乱するので、重要そうな単語以外は後で暇な時に軽く学習する程度で済ませています。なのであまり恩恵は受けられませんでした。
4.Kindleは取り回しがしにくい
本を徹底的に読み込む時、付箋を貼ったり、マーカーを引いたり、余白に書き込んだりということはどうしても必要になってきます。そういったことを直感的にできないのはやはりストレスでした。サッと目次に戻ったり、次の章をチラッと見たりといったことができなくはないのですが、しにくい行動は次第に取らなくなります。
5.Kindleは読了予想時間が見られる
これは最近精度が上がってきてる気がする機能で、章ごとに読むことの多い教科書だとあと何分読めば終わるのか分かって良かったです。読了予想時間を算出するツールは皆無と言ってもよくて、これを紙の本でも実現するものをExcelで別途作ることで対応しました。ここはKindle教科書の高く評価できるポイントだと思います。
・まとめ
教科書はまだというかこの先もしばらくは紙の本が良いだろう。
高い教科書をあらゆる角度から吸い尽くすことで知識が得られるので、前から後ろへ読むことと検索に特化したKindleは扱いづらい。
日本語の本でも同じことが言えて、ただ読むだけならどこでも読めるKindle、集中して知識を得たいなら紙を選択するのが良いと思う。
なので、Kindleは小説やコミック、自己啓発書、難易度の低い本に向いていると思う。
これらはただガンガン読み進めることが求められると思うからである。
逆に紙の本は振り返りや参照が必要な教科書や百科事典、参考書、問題集などに向いていると思う。今の自分にとって難易度の高い本もKindleで買うべきではない。
今回の経験でKindleで買うべき本とそうでない本の仕分けがザックリとだができるようになったと思う。
教育現場でのタブレットの活用例がでてきているが、教科書は紙で、あれこれ書いて覚えていくのが良いのかなという風に感じている。
極端な話、織田信長に落書きすることで彼の顔を覚える生徒も多いんじゃないだろうか。
そういった自由度を制限されてしまうのがKindleの欠点として浮かび上がった良い実験となった。
これからは高くて重たい教科書と徹底的に付き合っていくことにする。
いつかKindleが完全に紙に勝つ日を夢見てもいるのが本音ですが。やっぱりカバンは軽いほうがいいですから。